「値上げしたら客が離れる」は、思い込みかもしれない ── 198,000円を100万円まで上げ続けて分かったこと

値上げしたい。でも、できない。

あなたも、こんなふうに思っていませんか。

「今の価格を上げたら、お客さんが離れてしまうんじゃないか」 「いくらにすればいいのか、根拠が分からない」 「結局いつも、相手の顔色を見て、安いほうに合わせてしまう」

私はこの30年、小さな会社の集客の現場にいて、この悩みを何百回も聞いてきました。そして、いちばんの当事者は、私自身でした。

オンラインでホームページ制作を受け始めた頃、私の価格は「17ページで198,000円(税込)」。今思えば、ぞっとするほど安かった。その私が、最終的には100万円のホームページを中心の商品にしました。一気にではありません。198,000円から、何年もかけて、少しずつ上げ続けた結果です。

今日は、その”値上げの全記録”を話します。自慢をしたいわけじゃありません。あなたが今抱えている「上げたら離れる」という恐怖の正体を、見てほしいんです。

恐怖の正体は、「価格で選ばれている」という思い込み

値上げが怖いのは、心のどこかで「うちは価格で選ばれている」と思っているからです。価格で選ばれているなら、上げた瞬間に逃げられる。だから当然、怖い。

でも、本当にそうでしょうか。

私が198,000円で売れていた理由を、正直に分析すると ── 価格が絶妙だったから、ではありませんでした。当時、同じ”中身”を提供している会社が、ほとんどいなかったからです。制作会社は他にもありました。でも、私がホームページで公開していた中身、提供していた中身については、競合がいなかった。

イノベーター理論でいう「アーリーアダプター」の時代は、価格よりも”存在”のほうが大きいんです。「それを手に入れないと、自分たちも次に行けない」── そういう状態だから、たった一度の電話で受注が決まっていました。

つまり、私が選ばれていた理由は、価格ではなかった。にもかかわらず、私は「安いから選ばれている」と思い込んで、値上げを怖がっていた。多くの社長が、まったく同じ罠にはまっています。あなたが価格以外の理由で選ばれているなら、値上げで離れる客は、あなたが思うより、ずっと少ない。

198,000円 → 100万円。各段階で、何が起きたか

ここからは、私が実際にどう上げていったかの記録です。あなたの値上げの”地図”として読んでください。

ちなみに、いちばん最初は、オンラインですらありませんでした。
そして、試しにFAXのダイレクトメールで、5〜6ページを6万円で受けたのが、私のダイレクトレスポンスマーケティングのビジネスモデルの出発点です。

そこからオンラインの198,000円が始まりました。今振り返ると、出発点はそれくらい安かった。だから、安いところから始めること自体は、悪いことではありません。問題は、安いまま止まってしまうことです。

最初の一歩は、ほんの小さな値上げでした。それまで「198,000円・税込」だったのを、「198,000円・税別」にした。たったこれだけ。でも、これが最初の一歩でした。

次にやったのは、値上げではなく”オプション”です。それまでは受注した順に作っていたので、納品まで1〜2か月かかっていた。そこで「1週間で仕上げます」というオプションを、プラス5万円、合計25万円で用意してみたんです。そうしたら ── これが売れる。みんな、早く欲しいんです。このとき気づきました。「なんだ、お金が高くても、売れるんじゃないか」と。

そこから、30万円にしてみた。受注の数は少し減ったけれど、減った分、仕事が楽になり、入ってくるお金はむしろ増えた。次に35万円。これも変わらなかった。「高いから」と断られることはなく、成約率も落ちませんでした。

なぜ、上げても売れ続けたのか。理由はひとつです ── 価格に”根拠”があったから。

198,000円の時代にたくさん作って、実績が増えていました。だから「こういうサイトを作った」「ここは検索の上位に出て、そこから集客できている」という事例やお客様の声を、どんどん出せるようになった。それを見た人が「ここは実績がある」「ここに頼めば、ちゃんと集客できる」と判断できる。エビデンスがあるから、ある程度の金額でも払えたんです。

ここが、いちばん大事なところです。値上げを支えるのは、勇気ではありません。根拠です。

価格を上げるほど、”客層が良くなった”

そして、値上げで、思いがけないことが起きました。価格が上がるほど、客層が変わったんです。

198,000円の頃は、正直、すごい人たちがたくさん来ました。「それはありえないだろう」という要求をしてくる人。「俺のほうが偉いんだぞ」という態度の人。いろんな人が来た。

ところが、35万円になると、ちゃんとした人たちがお客さんになり始めた。誤解しないでほしいのですが、要望の多い人が悪いお客さんだ、という話ではありません。ただ、私から見て「ありがたいお客さん」の割合が、価格を上げるほど増えていったんです。

そこで、30万円と50万円の二択にしてみました。すると、多くの人が50万円を選ぶ。30万円を選ぶのは、これから起業する人や、まだお金のないステージの人。50万円を選ぶのは、すでに事業がうまくいっている人。だんだん、客層が二極化していきました。

安定してきたので、思いきって松竹梅にしました。30万・50万・100万円の3コース。中身は少しずつ違っていて、100万円はやることが多く、SEOも強い。当然、真ん中の50万円が売れるだろう ── そう思っていました。

ところが、面白いことに、ほぼ全員が、100万円を選んだんです。

「えっ、なんだそれ」と思いました。でも、理由ははっきりしています。そこに、100万円を払うだけの”根拠”が、すでに用意されていたからです。

100万円にして、仕事がむしろ”楽”になった理由

100万円が中心になって、何が変わったか。これも、あなたに知っておいてほしい変化です。

まず、受注の数を減らしても、売上は増えました。だから制作現場が楽になり、1件にじっくり時間をかけられるようになった。私自身は、設計とデザインの骨組みの段階だけ関わって、トップページの構成やワイヤーフレームを2時間ほどで作り、あとは腕のいいデザイナーとコーダーに流す。100万円という価格があるから、いい外注を正当な金額で雇える。結果、自分が手を動かすより、ずっと良いものができるようになりました。

客層の変化は、さらにはっきりしました。クレームが、ほぼなくなった。打ち合わせの質が上がった。お客さんが真剣になった ── 100万円を払っているから、情報も与えずに丸投げ、という人がいなくなったんです。問い合わせも、担当者ではなく、意思決定権者から直接来るようになった。そして何より、成功確率が上がりました。

100万円で作ったサイトで、売れなかったことはありません。検索の上位に出れば、そこから受注が取れる。だいたい12件も取れれば、もとが取れる計算です。実際には1〜2か月で回収する人が多かった。ある工務店は、1件受注すれば数千万円ですから、100万円なんてすぐに返ってくる。なかには、半年で1億円を売り上げた人もいました。商品単価の高いお客さんほど、効果が大きく出たんです。

つまり、お客さんにとって100万円は、経費ではなく”投資”でした。

値段は「制作物」で決めるな。「相手が得る価値」で決めろ

ここから、あなたへの本題です。

私が値上げで学んだいちばん大事なことは、これです ── 価格を、自分の”作業”や”制作物”で決めてはいけない。

ホームページそのものは、ただのデジタルデータです。中身がなければ、ただの”デジタルパンフレット”。売上にならないから、お客さんにとっては経費でしかない。でも、そこから集客できて、売上が上がるなら、それは”マーケティングツール”です。経費ではなく、投資になる。

100万円を払って、そこから1億円が返ってくるなら、その100万円は高くない。むしろ安い。だから、相手のゴールと、それを実現したときの価値から、価格は逆算するべきなんです。

自分の作業時間や制作物だけを見て価格を決めると、身動きが取れなくなる。「これだけの手間だから、これくらいかな」と、どんどん安いほうへ縮こまる。でも、相手が得る価値から逆算すると、価格は一気に自由になります。

正しく値づけしたものは、何年も効き続ける

ひとつ、忘れられない例があります。

100万円の頃に作った、あるお客さんのサイト。その後しばらく連絡が途絶えていました。私はすでに事業を手放したあとで、「もう廃業したと思われているかもな」と感じていた。ところが、ある時ふと連絡を取り合う機会があって、「会社が成長したので、そろそろリニューアルしたい」という話になったんです。それで、また作りました。

すると、その会社の”成長したいまの段階”に、ぴったり合うサイトができた。結果、売上がもう一段、跳ね上がった。

その2年後、「事業計画の発表会をするので来てください」と招待されました。正直、反響の報告がなかったので、内心ひやひやしながら会場にいた。終わってから本人に「新しくしたサイト、成果は出てますか」と聞いたら、こう返ってきました。「ダメだったら、呼ぶわけないじゃないですか」と。

説明しなくても伝わる客、本当に欲しかった客が、向こうから来るようになっていた。しかも、相手の会社のステージごと、大きくなっていたんです。

これが、価値で値づけするということです。安い”パンフレット”なら、こうはならない。相手のゴールから逆算して作ったものは、一度きりで終わらず、何年も効き続ける。だから、堂々とした価格をつけられるんです。

「安く売る」のは、親切ではない

それから、もうひとつ、あなたに伝えたいことがあります。

安く売ることは、親切ではありません。

安いと、相手も「どうでもいい」というスタンスになります。情報もくれず、丸投げで、本気にならない。本気にならなければ、どんなにいいツールを作っても、結果は出ない。ある程度の金額をもらうからこそ、相手も本気になり、こちらも本気で作れて、結果が出る。

適正な価格は、適正なお客さんを連れてくる。これは、値上げをして初めて分かったことでした。安さで人を集めると、安さで離れる人が集まる。価格は、客を選ぶフィルターでもあるんです。

ただし ── いきなり100万円は、やめておけ

ここまで読んで、「よし、明日から値上げだ」と思ったなら、少しだけ待ってください。

価格は、自信の現れです。でも、実績も、自信も、経験もないのに、いきなり100万円と言っても、相手は払えません。「本当に回収できるのか」と不安になるだけです。私だって、最初はおっかなびっくり上げていた時期がありました。

正直に言えば、198,000円の頃の中身を、そのまま100万円で出していたら、間違いなく失敗していたと思います。その間の段階を踏んで「何を作れば結果が出るか」を練習できたから、100万円のタイミングが合ったんです。

ちなみに、私は200万円にはしませんでした。これにも理由があります。200万円を払う人は、期待値が現実よりも大きくなりすぎる。すると、何かひとつつまずいただけで、大きなクレームになってしまう。100万円が、現実とのちょうどいいラインだったんです。

値上げは、石橋を叩くように、でも時には大胆に。自分の成長度合いに、価格を合わせていく。これが、何年もかけて学んだ感覚です。

あなたが、今日からできること

値上げの前に、やることがひとつあります。

「価格以外で選ばれる根拠」を、ひとつ表に出すこと。

あなたの実績。お客さんの声。「こういう結果が出た」という具体的な事例。それを、お客さんが見える場所に、ひとつ置く。値上げを支えるのは、勇気ではなく、この”根拠”です。根拠が積み上がるほど、価格を上げても客は離れない。むしろ、客層が良くなっていきます。

そして、価格は「自分の作業」ではなく「相手が得る価値」から考える。この視点に変えるだけで、あなたの価格は、今より自由になります。

まず、自分が”価格で選ばれているのか”を確かめる

とはいえ ──「うちの根拠って、いったい何だろう」「そもそも、価格以外の理由で選ばれているのか」。そこが見えていないと、値上げの一歩は踏み出せません。

それは、あなたの会社の集客が「今どこで止まっているか」を見れば分かります。価格で比べられているのか、それとも「あなたに頼みたい」で選ばれているのか。

3分の無料AI診断で、あなたの会社の現在地を確かめてみてください。

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値上げできる会社とは、価格で比べられない会社です。そして、価格で比べられない会社は、あとからでも、ちゃんと作れます。

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