「助けてください」と電話が来た制作会社が、ポジションを変えただけで年商3倍になった話

「助けてください」

ある日、突然、そんな電話がかかってきました。

東北で、ホームページ制作の会社をやっている社長さんからでした。声が、本当に切羽詰まっている。正直に言うと、私の最初の反応は「うわ、めんどくさい」でした。同業の制作会社を助ける義理もないし、何より、面倒だった。だから、断ろうと思ったんです。

でも、この一本の電話から始まった話が、最終的に、その会社の年商を3倍にしました。

しかも、すごい新技術を入れたわけでも、めちゃくちゃ働いたわけでもありません。変えたのは、たった一つ。”ポジション”です。今日は、その実話をします。価格競争で消耗している人に、いちばん効く話だと思います。

先に言っておくと、これは才能の話でも、特別な裏技の話でもありません。むしろ、地味です。でも、地味だからこそ、誰にでも効く。読み終わる頃には、「自分は、どの立ち位置で戦うべきか」という問いが、あなたの頭に残るはずです。

年商1000万円、3人、なのにお金が残らない

電話の主の話を聞くと、こういう状況でした。

3人でやっている。デザインの人、コーディングの人、そして営業兼社長の自分。年商は1000万円。なのに、利益が出ない。外注費やカードローンで、お金がどんどん出ていく。手元に、何も残らない。

3人で1000万円、しかも外注も使っている。そりゃあ残りません。カードローンで資金を繋いでいるなら、なおさらです。

「どうにかしてほしい」と、その人は言いました。

面倒だなあ、という気持ちは、正直、消えませんでした。でも、突然の電話で、そこまで言われて「知りません」とも言えない。そこで私は、断る代わりに、一つだけ条件を出してみたんです。本気かどうかを、測るために。

「6か月間、毎月、こちら(神奈川)まで来られますか。月10万円、6か月で60万円。1回2時間の対面コンサルと、あとはメールでの相談に乗ります」

正直、無茶な条件のつもりでした。東北から神奈川まで、毎月。これで引くだろう、と。

ところが、その人は ── お金を払って、本当に毎月、車で来たんです。1泊して、翌日コンサルを受けて、帰っていく。それを、6回。

その時点で、私は腹をくくりました。ここまでする人を、無下にはできない。

ちなみに、この「6か月通えますか」という条件には、もう一つ意味がありました。本気の人だけを残す、フィルターです。

人を助けるとき、いちばん厄介なのは、口では「助けてほしい」と言うのに、自分では動かない人です。そういう人をいくら手伝っても、結果は出ない。だから私は、安請け合いせずに、わざと「面倒な条件」を置きました。それを越えてきた人だけが、本気の人です。実際、毎月車で通ってくる、と決めた時点で、この人は伸びる、と確信が持てました。

これは、あなたが誰かに何かを売るときにも使えます。少し高い、少し手間のかかる条件は、冷やかしを断って、本気のお客さんだけを連れてくるんです。

問題は「腕」じゃなかった。「立ち位置」だった

何回か話を聞いて、すぐに分かったことがあります。

その人は、”便利屋”になっていました。

商工会議所などの集まりで知り合った人から、何でも受ける。「検索の順位を上げてくれ」と言われても、SEOの技術がないからできない。制作の依頼が来たら、市販のテンプレートに中身を流し込んで「30万円です」。来た仕事を、来た順に、なんでもこなす。

これでは、いくら働いても残りません。当たり前です。毎回ちがう種類の仕事が来るから、その都度、ゼロから勉強して、やり方を作って、こなす。手間ばかりかかって、単価は上がらない。

問題は、腕でも、努力の量でもなかった。”立ち位置”でした。

便利屋の何が怖いかというと、ずっと”業者”として見られ続けることです。何でもやってくれる人は、ありがたがられはしても、「先生」としては見られない。だから、いつまでも価格で値踏みされ、安いほうへ引っ張られる。仕事の種類がバラバラだから、経験も一点に積み上がらない。働けば働くほど忙しくなるのに、単価も信頼も、ある一線から上には伸びていかない。これが、便利屋というポジションの”天井”です。

だから私は、はっきり言いました。「便利屋をやめて、コンサルタントになってください」と。

「作る人」から「売上を上げる先生」へ

具体的には、こう変わってもらいました。

ホームページを欲しい人の目的は、たいてい「集客」や「売上を上げること」です。だったら、”ホームページを作る人”ではなく、”売上を上げるためのホームページを作る人”という立ち位置に変わる。

そのためには、検索でたくさん見つけてもらう必要があるから、SEOを学んで、技術を高める。作るサイトを、ただ綺麗なだけでなく、問い合わせが来る=成約率の高いサイトにする。検索で順位を上げて、見つけた人が読んで、問い合わせが来る ── この形を当たり前に作れるようになれば、その人は「売上を上げるための先生」というポジションになれる。先生になれば、単価は上がるし、何より、感謝される。

成約率の高いサイトというのは、ただ見た目が綺麗なサイトのことではありません。読んだ人が「これは自分のためのものだ」と感じて、問い合わせたくなるサイトのことです。誰に向けて、何を解決するのかが、はっきりしている。便利屋のサイトは、ここが曖昧になりがちなんです。「何でもやります」は、裏を返せば「何屋か分からない」ということですから。

もちろん、最初からSEOができたわけじゃありません。「順位を上げてほしい」という依頼が来ても、上げられない。だから、最初のうちは、裏で私のところが対応してあげていました。検索キーワードで上位に出すところを、こっそり引き受けて。そうやって実績を作りながら、彼はだんだん、自力で回せるようになっていったんです。

なぜ、”先生”になると単価が上がるのか。お客さんが本当に欲しいのは、ホームページという”物”ではなく、”売上が上がる”という結果だからです。物を売る人は、物の相場で値踏みされる。でも、結果をもたらす先生は、その結果の価値で評価される。テンプレートを流し込んで30万円の人と、売上を3倍にする先生とでは、同じ「ホームページを作る」でも、まったく別の商売です。前者はいくらでも替えがきく。後者は、替えがきかない。替えがきかない人は、価格競争から抜け出せるんです。

結果 ──「言い方を変えただけ」で、年商が3倍に

しばらくして、話を聞いて、驚きました。

年商1000万円だったのが、60万円のサイトの仕事がボコボコ取れるようになっていた。やっていることの中身は、そう大きく変わっていません。”言い方”と”立ち位置”を変えただけ。それで、年商が2000万、3000万円になっていたんです。

3倍です。

東北で、3人で、年商3000万円。変なことをしなければ、ちゃんと回る数字です。さらに私は、保守会員という月額のサブスクのメニューも作ってもらいました。毎月、安定して入ってくる収入の柱です。

便利屋のままなら、3人で年商1000万円の天井に張りついたままだったはずです。立ち位置を一段上げただけで、同じ3人、同じ働く時間で、3倍の年商と、毎月の固定収入が手に入った。働き方は、ほとんど変えていません。変えたのは、”何屋として名乗るか”だけです。

やったことを一言でいうと ── 私が自分のビジネス(”ただ作る人”ではなく、”売上を上げる先生+制作会社”という形)を教えて、それを彼の会社で実現するために伴走した、ということです。

その後、彼から連絡は来なくなりました。たぶん、うまくいっているからでしょう。良い仕事は、放っておいても回り始めるものです。ずいぶん経って、私のほうから連絡したとき、逆に彼に心配されました。立場が、すっかり変わっていたんです。良いポジションで仕事をすると、お客さんとの関係も、長く続く。

便利屋には、これがありません。安さや便利さでつながった関係は、もっと安い相手、もっと便利な相手が現れた瞬間に、終わる。でも、「あなたに頼みたい」でつながった関係は、簡単には切れない。ポジションを変えるというのは、お客さんとの関係の”質”まで変えることなんです。

教訓 ──「便利屋」をやめると、すべてが軽くなる

この話の芯は、これです。

便利屋でいる限り、毎回ちがうパターンの仕事が来ます。その都度、新しいことを勉強して、新しいやり方を作らなければいけない。手間は無限に増えるのに、単価は上がらない。これが、価格競争で消耗する会社の正体です。

ところが、コンサルタント=先生のポジションになると、やることは「だいたい同じこと」を、相手を変えてやるだけになります。一度、型ができれば、それを回すだけ。だから、手間が楽になり、単価が上がり、しかも感謝される。あとは、それを欲しい人を見つけて、その人たちに売ればいい。

価格競争で苦しいとき、多くの人は「もっと頑張る」「もっと安くする」のほうへ向かいます。でも、それは便利屋の天井を、さらに低くするだけです。出口は逆 ── 同じことを繰り返せる立ち位置に移って、そこに集中することです。同じ型を回せるようになると、それは”仕組み”になる。仕組みになれば、社長が毎回ゼロから動かなくても、回り始めます。

立ち位置を変えるだけで、結果が変わる。腕を上げるより、働く時間を増やすより、先にやるべきは、これなんです。

あなたへ ── 苦しいのは、頑張る”場所”が違うから

もし今、あなたの仕事が、価格競争に巻き込まれて苦しいなら ── それは、頑張りが足りないからではありません。頑張る”場所”、つまりポジションが、間違っている可能性が高い。

一度、考えてみてください。

「どのポジションだったら、もっと利益を生めて、高く売れて、しかもお客さんに感謝されて、良いことが続くだろうか」

便利屋として何でも受けている仕事の中に、一つでいい、「ここなら自分は”先生”になれる」という領域はないか。それを探すのが、最初の一歩です。今の仕事を全部変える必要はありません。立ち位置を一つ、上げるだけでいい。

考えるヒントを、もう少し具体的に出します。

たとえば ── ただの「リフォーム屋」ではなく「賃貸の入居率を上げるリフォームの専門家」。ただの「制作会社」ではなく「売上を上げるための制作会社」。やっている作業は、そう大きく変わりません。変わるのは、”誰の・どんな問題を解決する人”として名乗るか、です。同じ技術でも、名乗り方を変えるだけで、来る客も、払われる金額も、変わります。

自分に、こう問いかけてみてください。

・今、来る仕事の中で、いちばん「ありがとう」と言われるのは、どんな仕事か ・その中で、価格で比べられず、自分を名指しで頼まれるのは、どれか ・それを”専門”として掲げたら、どんな人が、いくらで頼んでくれそうか

この3つの答えが交わるところに、あなたの次のポジションがあります。

「でも、専門に絞ったら、仕事が減るんじゃないか」── そう不安になるのが、普通です。何でも受けていたほうが、安心な気がする。でも、実際は逆でした。あの東北の社長も、便利屋として全部受けていた頃のほうが、忙しいのに貧乏だった。”先生”として絞ったあとのほうが、仕事は楽になり、お金は増えた。絞るのは、捨てることではありません。深くなることです。そして、深い人のところにこそ、良い客は集まります。

まず、自分の集客が「どこで止まっているか」を見る

とはいえ ──「自分は、どのポジションに動けばいいのか」「そもそも今、価格で比べられているのか」。そこが見えないと、動きようがありません。

それは、あなたの会社の集客が「今どこで止まっているか」を見れば分かります。便利屋として消耗しているのか、それとも、すでに”選ばれる立ち位置”を持っているのか。

3分の無料AI診断で、あなたの会社の現在地を確かめてみてください。

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ポジションは、あとからでも変えられます。年商3倍は、特別な才能の話ではなく、立ち位置の話なんです。

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