「次はAI検索の時代だ」。最近、そう言われ始めましたね。GoogleもAI検索の宣伝に力を入れていて、動画を見ていてもAI検索の広告ばかり流れてくる。Googleが本気でそちらに舵を切ろうとしているのが分かります。
私はWeb制作・マーケティングを30年やってきました。その間、「次はこれだ」と言われた波を何度もくぐってきました。今日はその経験から、AI検索時代に何をすればいいのかをお話しします。
媒体は、何度も変わってきた
振り返ると、集客の主役はずっと入れ替わってきました。
最初はFAXのダイレクトメール。次にインターネットが来て、「ホームページを持とう」という時代になった。するとただ持っているだけでは足りず、「検索で上位に出そう」とSEOの時代になる。その次がSNS。フォロワーを集めろ、バズれ、と言われるようになりました。
私はそのほとんどを実際に試してきました。FAX DMもやったし、ホームページもSEOも当然やってきた。そして今、また新しい波が来ている。それがAI検索です。
毎回「次はこれだ」とみんなが騒ぐ。今まさに、AI検索でそれが起きようとしています。
でも、原理は一度も変わっていない
ところが、30年見てきて分かったことがあります。媒体が変わっても、選ばれる原理は一度も変わっていない。
原理はこうです。お客さんが見ている場所に、自分にしか言えないことを置く。
お客さんが見ている場所に、誰が言っても同じことを置いても、選ばれません。そういう時は、近い人か安い人が選ばれていく。そうではなく、「この人じゃなきゃ嫌だ」「この人にお願いしたい」と思わせなければいけない。媒体がFAXでもSEOでもSNSでも、ここは一度も変わっていないんです。
AI検索で、何が新しくなったのか
では、AI検索の何が新しいのか。検索の「順位」が出てこなくなる、という点です。今まではGoogleで検索すると1位から10位まで並んで、その中から見込み客が見つけてくれた。AI検索では、その順位という概念がなくなる。AIが質問に答えて、解決策を提示する形になります。
ここで、よく見てほしいことがあります。AIは答えるとき、どこから持ってきた情報なのか、出典のリンクを小さく示している。
これは大きな変化です。今まで自分で一つずつサイトを見て拾っていた情報を、AIが代わりに集めて、「あなたにはこれ」と出してくれる。
つまり、その出典としてあなたの記事が引用されれば、検索で上位に出ていたのと同じ効果になる。しかも、引用元を見に来た人を、自分のサイトに誘導できる。ここが狙いです。
そしてもう一つ大事なこと。AIが拾うのは、本物の経験=一次情報です。寄せ集めや、中身のないサイトからは拾えない。本人が体験したことだから深い。また聞きや、やってもいないことをいくら発信してもダメなんです。
「この人にお願いしたい」を作った、ある職人の話
分かりやすい例があります。ある地方で、一人で車のコーティングをしている社長さんです。ディーラーの下請けは受けず、20年以上やってきた腕のいい職人さん。
この方は、自分で研究したノウハウ——たとえば青空駐車でも車をいつもピカピカに保つ方法——を、ホームページで深く発信していました。本物が書いているから、内容が深い。すると「この人にやってほしい」という状態が生まれて、予約が1ヶ月先までいっぱいになる。
カーコーティングの会社なんて、全国にいくらでもあります。私の地元にも、少し走れば何社も看板が出ている。その中から「この人に」と選ばれる。これが、媒体が変わっても実現しなければいけないことなんです。
この方の凄さは、私自身が体験しました。打ち合わせのとき、私の車の悩みを話してみたんです。昔、黒のメタリックの車に乗っていて、雨が降ると水玉が乾いて、魚の鱗のような白い跡になってしまう。ディーラーに何度言っても直らなかった。
そうしたら、その社長さんは即答でした。「それは、水を弾いて水玉にするコーティングだからです。水玉が乾いて跡になる。だから、弾くんじゃなく、水を流して落とすコーティングにすればいい。水玉にならないから、鱗になりません」と。私が何年も悩んでディーラーと押し問答していたことに、一発で答えを持っていた。これが、一次情報の深さです。
出していない経験は、ないのと同じ
だから、経験のある人ほど、このAI検索時代には強い。
ただし——どんなに経験があっても、外に出していなければ、いないのと同じです。どんなに腕がよくても、その知識が頭の中にあるだけでは、AIはあなたを一生見つけられない。AIはあなたを知らないまま、時代が進んでいきます。
口コミだけで仕事が回っていて、それ以上いらないなら、それはそれで勝ちです。媒体を追う必要はありません。でも、新しいお客さんを開拓したいなら、自分の専門知識を外に出していかないといけない。
出す、と言っても、企業秘密まで出せという話ではありません。お客さんが抱えている問題と、それに対する解決策、そして「その解決策でお客さんがどうなったか」。こういう話を出していけばいい。
AIで作業が楽になった、と言われます。私もそう思う。でも、楽になったことに甘えていてはいけない。楽になったぶん、自分にしか言えない経験を、どんどん外に出していく。それがAI検索への備えです。
あなたの経験は、頭の中ですか。ネットの上ですか。
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